[RJ01483856] (メロい男を作る会) 知らぬは本人ばかりなり♡ 〜出向先のしごでき冷徹御曹司上司が私の知らない間に外堀埋めてきてクリトリスも乳首も処女まんこも調教されて、お嫁に行くしかなくなった話〜

作品概要(引用元:DLsite.com)

PDF/A5サイズ/162ページ
ストーリー2割 エロ8割

哀川　美久(あいかわ　みく)はいわゆる毒親育ちで、この状況から逃げ出すには力をつけるしかないと思って小さい頃から勉強してきた。それもあって高校の時にはトップの成績だったが大学進学を親があらゆる方法で止めてきたため、諦めて就職せざるを得なかった。
高校を卒業して地元では最大手の建設会社の営業として働き出した。とはいえ地方都市の大きい会社じゃ給料もたかが知れてる。美久は給料のほとんどを家に入れながら家事をするロボットのようになっていた。

ここから出ていきたいけど、これじゃお金も貯められない…

そうして働いて5年、転機が訪れた。
なんと当社の親会社である大手ゼネコンの『フジモリ建設』への出向が決まったのだ。決まった時は夢じゃないか?なぜ私が?と思ったが社長から「君は優秀だし、レベルの高い所でも学べる、実力のある人を出向させようと思って選んだんだよ」と言われ、美久は大人になってから初めて涙を零した。
出向先はここから遠いから単身赴任になるし、美久の希望で給料は手渡しにしてもらっていたため、実家にいない暫くの間はあの親に搾取されることもなくなる。
期間は3年間、美久はここで結果を出し、ゆくゆくは出世する事を目標として頑張ることに決めた。

出向先で配属されたマーケティング部では大手ゼネコンという事もあって部内にはハツラツとした人が多かったが、美久の教育係についたのはどんよりとした雰囲気の大男だった。
顔立ちは整っているが切れ長の目が眼光鋭く、口はへの字に曲がっている。神経質そうな印象を受ける男だった。
「初めまして、哀川美久です。〇〇建設会社から来ました。よろしくお願いします」
「……主任の不死森京介(ふじもり　きょうすけ)です。こちらこそよろしく」
名刺を見ると漢字が珍しく、苗字からこの男が恐らく経営者一族の男なのだと言うことに気づいた美久は改めて気を引き締め、深々と頭を下げた。

働き始めて1週間、不死森さんは一緒に働いてみると指示や説明も分かりやすく良い上司だと美久は感じていた。忙しい時も落ち着いていることが多く質問にも丁寧に答えてくれるため、この人が上司で良かったと思っていた。

ただ、時折じっと見つめてくる事が多いのと、移動の車の中でこんな会話があった。

「哀川さんはどこの大学出てるんですか?」
「…私高卒なんです。家があんまりお金なかったんで」
「へえ、優秀そうなのに」
「そう言って頂けると嬉しいです。…差し支えなければ主任はどこの大学なんですか?」
「……N大」
「……めっちゃくちゃ頭良いですね！?」
「違う、ガリ勉しただけです。うちの兄や父はT大なので俺は頭が悪いです」
「…でも私、初日の主任の説明を聞いてるととても丁寧で、質問にも的確に短く答えてくれて頭のいい人なんだと思いましたよ」
関わって間もないが本心からそう思った、何より自分もその大学に合格圏内だったのに進学出来なかったこともあり、羨ましかった美久は静かにそう告げた。
不死森は目をスっと細めると「…ありがとう」と小さく呟いた。その後も休日の過ごし方や趣味について雑談をした後、不死森は何気なく美久に質問をした。
「彼氏はいないんですか」
「うーん、欲しいといえば欲しいんですがあんまり時間が無くて」
「………へぇ……どういう人が好みなの?」
「?　…落ち着いた優しい人がいいです」

見た目はそんなにこだわらないから穏やかな春の日差しみたいな、暖かい人がいいなぁ

そう思ったがそこまでは喋りすぎだと思い口を噤む。
美久は今まで家の事が大変だし自由に出来るお金も少ないからあまり恋愛について考えたことがなかった。口数の少ない印象の不死森主任がそんな事聞いてくるなんて意外だなと思いながら、外の風景を眺めていたため、横から肉食獣のような目で見つめられていることに美久は気づかなかった。

そんな中、部署で美久の歓迎会を開いてくれる事になった。
部内の人達は明るく美久も久しぶりのお酒の場でほろ酔いになっていた。不死森も来ていたが隅っこの方で数人の先輩達とちびちびと呑んでおり、「あんまり話しかけない方が良いかな?」と部署内の他の人達と交流を深めていた。
「哀川さんさー、一緒に働いてみて不死森主任の事どう思う?」
ふいに先輩から質問され、私は素直にこう答えた。
「説明が丁寧でいつも落ち着いてて良い人だなーと思いますね」
その瞬間おおーーーと部署一同がどよめき、美久はぎょっとした。
「哀川さん、不死森さん今フリーだよ」
「そうそう、苗字で気づいてると思うけど社長の三男坊！狙っちゃいなよ！」
正直そういう意図の質問とは思っていなかったため、美久はかなり戸惑った。
しかし周りの盛り上がりは治まらず「付き合っちゃいなよ」「この後二人で飲みに行ったら?」と口々に言うので、この状況を回避したい美久は咄嗟にこう言った。
「いや、でも私その、彼氏?がいるので…」
その言葉に今度は部署一同えええーーーと異口同音に驚きの声を上げていた。
「彼氏いるの?」
「まあ、彼氏?って言うか、友達以上恋人未満っていうか……」
大嘘だった。美久には彼氏がいたことはなく、今も昔も目の前の勉強や業務をこなすのに精一杯だった。
ちら、と不死森の方を見るとおちょこを片手にナイフのような目で美久を見つめていた。
怖い…好みじゃない…
不死森は御曹司であのルックスと落ち着いた雰囲気なら女性にモテているだろう。
しかし美久は不死森が好みではなかった。顔立ちは綺麗で好きな人は好きなんだろうが狐のような目つきでへの字口、背も195cmはあるだろう長身だが陰気な雰囲気が195cm分辺りに漂ってると感じるほどに美久の好みではなかった。
「ちょっと曖昧な関係なんですよね……」とお茶を濁す美久に先輩達は「うーん、そう……」と若干シラケた雰囲気になってしまい美久は慌てて「でも凄くかっこいいと思います。不死森さん」と付け加える。
「見た目もいいし、良い大学出てるし実家も太いから絶対モテますよね?私何もかも普通だし高卒だし実家極細だから絶対釣り合わないと感じてたので……」
「あ、そういう事か」
「それに出向先の経営者一族なんて半端な覚悟じゃ狙えないですよ〜」
ヤバくないですか?赴任早々に狙い始めたらと言うとやや場が温まり、「確かにいきなり狙いだしたらすごい女が来たなと思うわ笑」と先輩達も笑ってくれた。
「哀川さんグラス空いてるけど次何飲む?」
「あ、さっきと同じやつをお願いします」
「ブルーハワイサワーね」
そうすると先輩の1人が静かに不死森に耳打ちしに行き、短くやり取りをしたあと店員からサワーを受け取り、美久に渡した。
場の空気を壊さない事に神経を使っていた美久は不死森の周りの動きに気付くことはなかった。
サワーを手に取ると再び場の空気が盛り上がったのにほっとしてグイッと1口飲むと、

意識が遠ざかっていった。