やっと再会出来たのにすれ違いが続く二人……そしてし○ぶは決意を込めて動き出す!
サークル名: | 螺旋の月 |
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販売日: | 2021年05月16日 |
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シリーズ名: | Brand New Days |
カップリング: | 義勇×し○ぶ / |
作者: | 飛牙マサラ |
イラスト: | 石神たまき |
年齢指定: | R18 / |
作品形式: | ノベル / |
ファイル形式: | JPEG / PDF同梱 / |
その他: | 乙女向け / |
ジャンル: | ロマンス / ラブコメ / ほのぼの / 恋人同士 / |
ファイル容量: |
DLsite価格:1,320円DLsiteで購入する
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作品概要(引用元:DLsite.com)
「……忙しすぎる」
四月から新任教諭としてキメツ学園で勤務し始めた冨(とみ)○(○○)義(ぎ)勇(ゆう)ではあったが、慣れない業務や授業に追われて日々忙殺されていた。
漸く今日は休みがまともに取れたが、それでも自分のアパートで休むのが精一杯なくらい疲れている有様だ。
窓の外から見える快晴の空が恨めしい……
今の義勇の気分はそれとは真逆だったから当然とは言える。
胡(こ)蝶(ちよう)し○ぶと再会してもうどれだけ経ったのだろうか。
離れていた年月を思えば短いのだが、彼女と碌(ろく)に逢えやしないこの状況がもどかしい。
いや、それは正確ではなかった。ただ逢うだけならば逢えている――ほんの僅(わず)かだけだが。
その内容が実に嘆かわしいだけで。
何しろ逢うと言っても朝の登校時か、はたまた良くて廊下でのすれ違いレベルで、それを逢えたことにカウントしていいものかは実に悩ましい。
だいたい、あいつは多忙すぎて新任の俺が関われるのは挨拶程度が関の山で、担当であれば可能だろう、教師と生徒のちょっとした世間話すら難しいと来た。
そもそも二人は圧倒的に学校での関わりが少なすぎるのだ。
残念ながら義勇はし○ぶの学年の担当には当たらず、授業の割り当ても無い。
お陰様であの日はあんなに近かった距離が今はどうにも遠いったらない……
現状、二人の関係は教師と生徒などと言う間柄だから義勇から大っぴらに何か行動するわけには当然いかないのだから然も有りなん。
そしてもう一つ悩みがある。し○ぶが学園内外での人気者であると言うことだ。
……あいつは綺麗だからな。
そうだ、昔も美しい女だった。
だから今でも当然のように学園で三大美女などと呼ばれるのは納得する。
が、それを知った時にどれだけ面白くない思いをしたことか。
……さぞかし他の男どもにモテるのだろう。
考えるだけで未だにムカついてくる。
不埒な輩にあいつには近寄るなと堂々と言えるならこれほど楽なことはない。
そうは思っても言えるはずもなく、結局いつも己の立場の柵(しがらみ)に囚われて身動きが取れなくなってしまうのだ……
全ての意味で詰んでいる気がしないこともない。
もともと時間を作るなど得意ではない彼はどうしても後手に回ってしまうせいもあった。
ああ、休みの日に一人でいるとどうにも気が滅入る。
流石に自分が休みだからといって生徒である胡蝶と逢うわけにもいかないしな……
何で教師になったのか。
だが、教師になったからこそ彼女と再会出来たのだ。
全く世の中は儘ならない……
どうすればいいのか分からないまま、それでも逢いたいと願う。
前世ではたった一度きりの関係だった。
あの時、胡蝶から告げられるまで彼女への気持ちに気が付きもしなかったくらいに自分でも鈍感な男だと自覚している。
確かに再会の約束そのものは果たしたが、それだけで終わらせたくはない。
あの夜の温もりは忘れ難く、今でもこの手が、この体が覚えている。
そして再会したあの日に感じたあの温もりもまさしく彼女のものであり、同時にもう二度と失いたくないと強く思った。
あれ以来、義勇自身も何とか話しかけようと試みてはいるが、あからさまに不自然になりそうでどうにも上手くいかない。
だが、今度こそ言葉でちゃんと想いを伝えたい、そう思う。
尤も彼の場合にはそれが一番難しいのだが。
それでもそうすべきだと理解はしているから迷うまいと思う。
ただやはり問題は二人の関係性だ。
何しろ教師と生徒である――これはどう考えても彼と彼女にとっては間違いなく大いなる障害だった。
だからと言ってこのまま卒業まで何も伝えずにいることはしたくない。
ではどうすればいいのか悩むが、幾ら考えても一向にいい答えなど出ないままだった……彼女の華奢な体を己の腕に閉じ込めながら自分の気持ちを言うべきか悩んだが、後悔するのはもう沢山だ。
だからこの際、二人の関係性などは一旦忘れ去ることにした。
「……今、言うのはどうかと思うんだが」
「何ですか?」
し○ぶは彼に抱き締められながら胸の鼓動をときめかせて次の言葉を待つ。義勇は自分に身を任してくるそんな少女の耳元で囁くように言葉を紡いだ。
「……昔、別(わ)離(か)れる時、俺はお前に待ってろと言ったよな。その時にちゃんとした言葉で伝えてなかった。その、お前を好きだと」
照れくさいことこの上ないが今言わずしていつ言うのかと思ったのだ。
その言葉を聞いた瞬間、し○ぶの瞳が輝き、とびきりの笑顔になって彼に抱き付いた。
「……凄く、凄く嬉しいです! 私も大好きですよ、義勇さん!! 私、待ってて良かったです!!」
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