[RJ334902] (チューリップ庵) はるのうた 第一話

作品概要(引用元:DLsite.com)

小説/横書き
惑星の皇太子の愛玩奴隷であるハルは、同じ寄宿舎の少年に貸し出されるようになった。
皇太子は「本当は自分が抱きたいが、叶わないから抱かれてこい」という性癖全開な命令を下す。
しかし目的の貴公子は愛玩奴隷よりも、もっと別のものに興味があって……。
エロ描写はほとんどなしですが、奴隷が出てくるので年齢制限をつけています。
【本文冒頭】
　役割は端的に言えば、快楽のお相手であった。愛玩奴隷と呼ばれる身分だ。
　名前は適当につけられた。親から引き離されて番号で呼ばれるようになり、見かけがいいから将来有望だろうと宮殿に買われてきて、皇子様のおもちゃになることが決まって。皇子様は面倒くさそうに花瓶に目をやり、「ハル」と一言。そこに挿さっていた大きな花の蕾を特別にそう呼ぶのだと、後で知った。
　寄宿学校まで連れて行かれて、他の愛玩奴隷と一緒に皇子様に侍った。皇子様は特別な人で……つまり、将来はこの惑星の皇帝の跡を継ぐ、皇太子で。寄宿学校の生徒の中では一番偉いのだ。
　主人が偉い人なら、奴隷だって周囲から一目置かれる。少なくとも他の貴公子が連れている奴隷達から馬鹿にされることはない。それだけが嬉しい。
　愛玩奴隷は寿命が短い。それに、皇太子は年若い男の子ばかりと遊びたがるから、どうせすぐに飽きられてしまう。自分なんかすぐに誰かに払い下げられて、使い古されて死んでしまうに違いない。ハルはそんな風に、思っていた。