植物学者の父親と大きな屋敷に暮らす13歳の少女、ミラ。 学校へ行くのを禁じられ退屈していたミラは庭師見習いの少年・デュークと仲良くなるが、ある日突然彼が蒸発。 「裏庭の温室に行ってはいけないよ」 父の戒めに隠されたおぞましい秘密とは。 (ホラー/洋風)
サークル名: | ロールシャッハテストB |
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販売日: | 2022年11月29日 |
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作者: | まさみ |
イラスト: | 宮菜 |
年齢指定: | |
作品形式: | ノベル / |
ファイル形式: | PDF / |
ジャンル: | 少女 / 娘 / 人外娘/モンスター娘 / 退廃/背徳/インモラル / ファンタジー / ホラー / 歳の差 / 金髪 / |
ファイル容量: |
DLsite価格:330円DLsiteで購入する
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作品概要(引用元:DLsite.com)
植物学者の父親と大きな屋敷に暮らす13歳の少女、ミラ。
学校へ行くのを禁じられ退屈していたミラは庭師見習いの少年・デュークと仲良くなるが、ある日突然彼が蒸発。
「裏庭の温室に行ってはいけないよ」
父の戒めに隠されたおぞましい秘密とは。
(ホラー/洋風)
本編は主人公ミラの一人称視点、日記風に進みます。
挿絵:宮菜(@miyanamiya38)様3月2日 晴れ
お屋敷に庭師見習いの男の子が来た。名前はデューク。
自己紹介の時にガチガチに緊張しているのがおかしくて、うっかり吹き出しちゃった。
3月5日 曇り
休み時間、デュークに声をかけた。最初はしどろもどろだったけど、お喋りしてるうちに緊張が解けたのか、色んなことを話してくれたわ。
デュークは5人兄弟の一番上。
本当は学校に行きたいのに、家が貧しくて叶わないのですって。
私も同じ、学校に行きたいと再三お父様に掛け合っても許してもらえない。理由はよくわからない。
なんだかデュークが他人とは思えなくて、勉強を教えてあげると切り出していた。
デュークは恐縮していたけれど、結局知識欲が勝ったみたいで、「よろしくおねげぇします」と呟いた。
3月20日 晴れ
デュークは勉強熱心で物覚えもよかった。教材は地下室から持ってきた古新聞。
今日見ていたのは13年前の記事。お父様の写真が一面に掲載されてる。
「旦那様だ」
「今よりちょっと若いでしょ」
見出しを指して読み上げるように促す。
「えぇと……『アルベール・ロノン博士、新種の植物を発見。品種改良に成功か?』」
「よくできました」
「なんもなんも」
小さく拍手すれば頭をかいて照れる。
わざわざこの新聞を選んだのは、お父様の偉業を自慢したい気持ちがあったから。
デュークが不思議そうな顔をする。
「ここに書いてある新しい植物、お嬢さんは見たことあんべか」
「たぶん奥の温室にあるんじゃないかしら」
「立ち入り禁止の?」
私達が住む屋敷には、秘密の花園もとい秘密の温室がある。裏庭の一番奥、そこに入れるのはお父様だけ。
毒のある植物を育ててるから危険だって。
「世界には私達が想像もできないような植物があるの。虫を食べる花、閉じ込めて溶かす花、夜になると光る花……お父様は世界中から珍しい花を集めて、奥の温室で株を増やしているの。その子たちは温度や湿度、光の量にとっても敏感だから、ちゃんと管理してないとすぐ枯れちゃうんですって」
「子たちって、人間みたいだがや」
「兄弟みたいなものだもの」
お父様はよく言っていた、植物には人間の言葉がわかると。
音楽を聞かせると葉が瑞々しくなり、生命力を増すのが証拠。
私も日々体感している。
「デュークも奥の温室には行っちゃだめ、お父様にバレたら大変」
「でも……夜光る花は見てみたいべ……」
「気持ちはわかるわ。ロマンチックよね」
「お嬢さんにやる」
「えっ」
デュークは耳まで真っ赤。
なんだか気まずくて、古新聞をデュークに押し付けて腰を浮かす。
「あげるから予習しといて。わからない文章があったら聞いてね、代わりに読んであげる」
デュークは丁寧にお礼を言い、小さく折り畳んだ古新聞をコートの懐に入れた。
4月4日 晴れ
朝、お父様と散策。
「最近庭師の子と仲良くしているそうだね」
「デューク?とってもいい子よ」
「はしたないまねをしてはいけないよ、男の子とは節度をもって付き合いたまえ」
お父様と手を繋いで、デューク達が剪定した庭を歩く。
言い出すなら今しかない。
覚悟を決めて顔を上げる。
「私学校に行きたい」
お父様が立ち止まる。
「またか」
「学校へ行けば女の子のお友達もできるし、もっと沢山学べるわ」
「私の授業では不満かい?」
「そんなことはないけれど……」
お父様の過保護は少々度が過ぎている。
お母様が死んでから忘れ形見で生き写しの私に依存して、どこへ行くにも付いてくる。
馬車で出る時も必ず付き添うし、正直息苦しい。
「ミラ、こっちに来なさい」
後ろ手を組んでごねる私にお父様が向き直り、限りなく優しい声で招く。
言われるがまま近付けば、私の手を引いて四阿に引きずり込む。
「私はお前の為を思って言ってるんだ。外の世界は危険で怖い所だ、大人になるまで出したくない」
「もうおとなよ」
じれて叫べば、途端に怖い顔になる。
「証明してみなさい」
今さら引き下がれない。
勇を鼓してドロワーズを引きずり下ろし、スカートの裾をゆっくりたくし上げていく。
羞恥で顔が燃える。
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